蜜ろうワックスはワックス?塗料?
蜜ろうワックスとは?
蜜ろうを主成分とした自然塗料です。
蜜ろう(蜜蝋):ミツバチの巣を構成する蝋状の物です。
蜜ろうワックスは、名前こそワックスの名が付けられてますが、オスモカラー・リボスなどと並ぶ浸透型自然オイル塗料となります。
ただ、蜜ろうワックスと呼ばれる商品は半固形のモノが多く一見別物かと思われがちですが基本的な成分構成が他の自然オイル塗料と同じで、木材に作用する仕様もほぼ同等です。配合の割合が異なります。
一般の自然塗料は、ワックス成分が5-15%(溶剤を使っているため固形化しない)
蜜ろうワックスは、蜜蝋成分が10-15%
蜜蝋ワックスは溶剤を使わずワックス成分が多いため、半固形の形状となります。ワックス成分が少ないほどより液体状となります。
一般的な蜜ろうワックスが好まれるところは、溶剤・乾燥剤などが含まれない商品が多い事、若干入っているメーカーもございますが、他の自然塗料と比較して非常に少なくなっておりより天然素材にこだわった仕様となっています。
リボス:グレイボ、プラネットカラー:ラッペンワックス、クランプ:High-Solid Oil-Finishなどは少し粘土のある液体状の蜜ろうを主成分とした塗料となります。
蜜ろうワックス良いところ
蜜ろうワックスを選ぶお客様は、以下の2点で選ぶ傾向を感じます。
- 仕上がりの質感
- 溶剤・乾燥剤を使わない
仕上がりの質感
言葉で表現するのが非常に難しいですが、無垢の質感をより感じる。触った時の滑らかな仕上がりなど実際に複数の自然塗料のサンプルをお送りし場合、蜜ろうワックスが一番良く感じると言われるお客様が多いのは事実です。
特に他の自然オイル塗装は、強固なワックス被膜を作るため硬質に感じたり、木の質感に乏しかったりします。(これは塗装初期のみ)
蜜ろうワックスは、基本的に溶剤・乾燥剤を使わないた植物オイル+蜜ろうのみの成分構成となります。そして蜜ろう以外の部分は約90%ほどが植物オイルとなり木材にしっかり浸透し深みのある色合いに仕上がります。ナラ・栗など杢目の主張する材にも最適です。
溶剤・乾燥剤を使わない
すべての蜜ろうワックスが、溶剤・乾燥剤を使ってない訳ではありません。他の自然塗料と比較してその使用割合が非常に少ないのが特徴です。一部の蜜ろうワックスでは、蜜蝋+植物オイルのみで全く溶剤・乾燥剤を使わない蜜ろうワックスもあります。
木に塗る、大きな面積に塗ると言うことで塗装効率、仕上がり、ミス軽減などを考え乾燥剤・溶剤を含めるメーカーも多数あります。
当社で蜜ろうワックス塗装の場合は、”未晒し蜜ろうワックス”を使用して塗装を施します。本商品は蜜ろう+荏胡麻油のみで構成されます。
過去当社で製造販売していた蜜ろうワックスも、蜜ろう+ひまわり油+荏胡麻油で製造販売していました。
メリットとデメリット
蜜ろうワックスだけに限らず、各メーカーの提供する自然塗料にはそれぞれメーカー固有の仕様がありそれぞれメリットやデメリットが存在します。
蜜ろうワックスのメリットやデメリットについて以下に示します。(あくまでも当社で一般的に感じられる主観であり感覚的なものなど根拠ない見解となります)
メリット
- 塗装後の木の質感が良い
- 自然塗料としては安価
- 塗装不良が少ない(塗りすぎ、塗り残しなどのリカバリが容易)
- 補修が簡単、再塗装が簡単
- 蜜蝋・植物オイル以外の成分が含まれない(一部溶剤を含む蜜ろうワックスもあり)
デメリット
- 完全乾燥に時間が要する
- 指触乾燥状態では靴下などに塗料が付着する
- 塗料の耐久性が低い
- 耐摩耗強度が低い
- 日陰部分で湿度の高い箇所ではカビが発生する場合がある
木材のフローリングを使用するので木の質感を第一にこだわる、安全性にこだわるなどデメリット部分も多少ありますが、それよりメリット部分が大きくそれが人気の理由だと思わます。
リカバリ性能も非常に高く、部分的な補修など他の自然塗装と比較して容易に行えます。
蜜蝋成分が効果を発揮しているときは、撥水性も非常に高いのも特徴ですが、熱には若干弱く感じます。
蜜ろう使用した撥水ワックス
アウロ No.171 ハードワックス
オイルワックスを塗布した木材の上に塗ることで撥水性をさらに高めることができる商品。キッチンやトイレ、脱衣所など水の影響を受けやすいところにおススメのワックス。
- 亜麻仁油
- ▲ヒマシ油
- ▲カルナバ蝋
- ▲蜜蝋
- ▲乾燥材(コバルトフリー)