フローリングの選び方

フローリングの選び方

無垢フローリング・複合フローリング・フロアーパネル

フローリングの選び方

フローリングには色々な素材があります。木のフローリングでも無垢・複合・シートタイプがあります。それ以外も塩ビなどの合成樹脂系や石系のフロアタイルなど様々です。

無垢フローリング

無垢フローリング

一枚の木だけで作られた単層のフローリング

複合フローリング

合板などの基材に化粧板を貼ったフローリング。化粧板には様々なタイプがあります。

PVC/SPC
フロアパネル

ビニル系のものや、ストーンパウダーを混ぜたものなど置くだけ簡単フロアパネル

ストーン
フロアタイル

石材タイルから石材と樹脂を混ぜたものなどストーンの風合いのあるフロアタイル

当社では主に木のフローリングと、フロアパネル(SPC)を取り扱います。また木の複合フローリングでも、突板やシートフローリングなどは取り扱いが御座いません。

ここでは、木のフローリングとSPCフローリングの選び方についてご紹介します。

木のフローリング

一般的にフローリングと聞いて最初に思い浮かぶのが木を使った木のフローリングだと思います。木を使ったフローリングでも大きく2つに分類されます。

  • 無垢フローリング
  • 複合(合板)フローリング

無垢フローリング

無垢フローリング

”無垢:まじりけのないこと”の意味の表す通り、1枚の木で作られたフローリングを無垢フローリングと呼びます。単層フローリングとも呼ばれます。

無垢フローリングの魅力は、その存在感と質感があります。耐久性にも非常に優れ四季を通じて調湿効果もあり防音や断熱効果もあります。また長い時間を得て独特の経年変化があり、使い込むほどにその風情が表れます。

無垢フローリングにもデメリットもあります。

施工不良による反り
施工不良による反り
  • 伸縮膨張による隙間の発生やトラブル
  • フローリングの単価が高い
  • 暖房器具を使う場合注意や制限が多い
  • 施工に工数がかかる
  • 水に弱い

伸縮膨張によるトラブルも正し施工を施すことである程度は回避できます。

樹種により乾燥期にある程度の隙間が開くなど理解したうえで採用下さい。近年乾燥技術の向上で寸法安定性が良い商品が多くなっています。

他のサイトで傷が付きやすい、メンテナンスが大変などの記載もありますがこれは無垢だけではなく木のフローリング全般で共通のデメリットで塗装方法などでも大きく異なります。またデメリットとして同じ色合のモノが無く、風合いも異なる、経年変化で色が変化するなどの記載もありますがこれは無垢材の特徴で楽しめる部分であると思います。

フィンガージョント部

本来なら1枚の板で製造されたフローリングを無垢フローリングとして定義しますが、UNIタイプのように3-6枚をFingerJointで縦継ぎしたフローリングも無垢フローリングとして取り扱います。

以下の「告示対象建築材料以外の建築材料」で示す通り木材で縦継ぎは告知対象外としてムクの木材として取り扱います。
参考:FJL(FingerJointLaminte)無垢材を縦横継ぎで製造した仕様。集成材として取り扱うF★★★★対象建材となります。

告示対象建築材料以外の建築材料

建築 基準法に基づくシックハウス対策について
告示対象建築材料以外の建築材料については、ホルムアルデヒドの発散がほとん ど認 めら れないことから、居室の内装仕上げや天井裏等に、シックハウス対策に係る規制を受けることなく用いることができます。
木材
ムクの木材、面的に接着して板状に成型したものでないもの(縦継ぎ等)

乱尺仕様

無垢フローリングの選び方

無垢フローリングと言っても沢山の樹種や加工方法、塗装があります。樹種により大きくイメージも異なりまた同一樹種でもその原産国により雰囲気が異なります。

無垢フローリングを選ぶポイントを紹介します。

樹種で選ぶ
樹種で選ぶ
仕様で選ぶ
幅で選ぶ
用途で選ぶ
色合いで選ぶ
塗装加工で選ぶ

樹種で選ぶ

無垢フローリングとして提供している樹種は非常に多く、多種にわたります。杉・檜・パインなどは針葉樹、ナラ、タモ、ウォールナット、チークなど広葉樹と様々です。前者は非常に柔らかく、後者は硬く樹種によりその性格から質感など異なります。当然ながら柔らかい材は傷や凹みが発生しやすいですが、調湿効果や保温断熱に優れます。一方硬い木は傷が付きにくく耐久性が高いですが調湿、保温断熱性で劣ります。

同じ樹種でもその産地により色合いや表情が異なります。近年では森林保護の目的から植林木も増えています。同一樹種でも天然木と植林木で色合いが異なったり価格も大きく異なります。
例:ミャンマーチーク・インドネシアチーク・ラオスチークなど

一部の樹種を紹介します。(太字は当社取り扱い可能樹種)

北米ブラックウォールナット・ブラックチェリー・メープル・ヒッコリー・ホワイトオーク・レッドオーク・アッシュ・レッドシダー
欧州ホワイトオーク・バーチ・パイン・アッシュ
アフリカサペリ・ブビンガ・ゼブラ・ウエンジ
東南アジア花梨・マホガニー・チーク・ミャンマーチーク・ロッズウッド・タヤガサン・アカシア・ピンカド・リングア・メルバウ・ケンパス・ラバーウッド・ロックファー
中国・ロシアナラ・栗・タモ・西南桜・東北樺(樺桜)・メープル(楓)・ウォールナット・ブナ・パイン
国産材杉・ヒノキ・ひば・鬼ぐるみ・山桜・ナラ・けやき・赤松
その他南米産樹種・オセアニア系樹種や上記樹種の他地区に植林された種など多数あります。
  • 世界3大銘木:ブラックウォールナット・チーク・マホガニー
  • 高級材:花梨・ローズウッド・ミャンマーチーク・ブラックチェリー
  • リーズナブル:アカシア・ラバーウッド・西南桜・杉・パイン・ヒノキ
  • 定番:ナラ・ホワイトオーク・樺桜

仕様で選ぶ

無垢フローリングは、様々な仕様の加工方法があります。デザイン、価格、需要、材料などの要因により展開されます。

フローリングの仕様
代表的な加工

OPC:One pieceの略で、1枚の板より切り出された定尺フローリングとなります。1枚の板のためUNIに較べて継ぎ目がなく高級感があります。

UNI:Unitedの略で、3-6枚の無垢材をフィンガージョイントにより縦継ぎして製造された定尺のフローリングとなります。一般的には3-5枚継ぎですが、コストを抑えた6-7枚継ぎの物もあります。

乱尺:ランダムな長さの1枚物の板で構成されたフローリングです。1枚1枚4方サネ加工が施されています。一般的に1枚1200mmから400mmのサイズで製造されます。高級感ある仕上がりとなります。

FJL:Finger JointLaminateの略で、集成材とも言われています。無垢材を縦で継ぎ合わせ横で張り合わせたフローリングとなります。無垢材をロスなく製造することができます。デザイン性にも優れ幅広材も作りやすいのも特徴です。F★★★★告知対象

ヘリンボーンやパーケットはデザイン的な仕様で、OPC/UNI/乱尺/FJLはデザインおよび価格、材料なども影響します。

価格順:OPC>乱尺>UNI>FJL
※OPC(1枚もの)が非常に高価になります

フローリングの種類

幅で選ぶ

無垢フローリングはその性格上幅広材が難しい特性があります。湿度による伸縮があるため幅広材は隙間が出来たり、突き上げ反りなどが発生しやすくなります。現在流通している無垢フローリングは75㎜~150㎜幅までとなります。これは15㎜厚を前提した幅で、一部の厚みのある仕様でさらなる幅広材300㎜幅などもあります。

幅広ほど伸縮幅が大きくなります。四季を通じて0.5㎜から1㎜ほど動く樹種もあります。

楢とオーク

標準幅:90㎜幅
幅広:120㎜~150㎜
150㎜以上は厚み18㎜~30㎜などで対応

画像:ナラとホワイトオーク
無垢フローリング ナラ 90㎜幅
無垢フローリング ホワイトオーク 150㎜幅

用途で選ぶ

床暖房対応無垢フローリング・直貼り対応無垢フローリングなど、特定の条件可で使用可能な商品もあります。これらの商品はその使用目的に合わせて製造されています。

床暖房対応無垢フローリング

床暖房下で利用可能な無垢フローリングです。通常の無垢フローリングよりも含水率を低く乾燥させまた背面にも反り止めなどの加工を行います。寸法安定性の高い材料を利用することでさらなる安定感が発揮されます。樹種により低温水式床暖房について施工可能な商品もあります。(チーク プレミアムなど)

特殊な乾燥窯で高熱乾燥処理を施したサーモウッド処理材なども床暖房での使用が可能です。

チークのプレミアムの床暖房対応。背面に安定性を高くするためのスリットが入ります。チーク プレミアムは低温水式床暖房なら非対応材でも対応可

サーモオーク OPC 床暖房対応

特殊乾燥窯で水と空気だけで、190度~200度で乾燥させることで木の性質を改変し安定性が上がります。

直貼り対応フローリング

コンクリートに直接貼ることが可能な無垢フローリングです。背面にカルプクッションを貼り付けることでコンクリートに直接貼ることが可能となります。

色合いで選ぶ

アカシア ルビオモノコート サンプル色

無垢フローリングの色合いは、木の本来の持つ色味とウレタン塗装や自然塗装による調色があります。天然では存在しない、インダストリアルなデザインなど。その他ヴィテージ、アンティーク、アジアンテイストなど樹種ではなく、塗装でカバーすることもできます。

木の素地の色では難しい色

塗装で選ぶ

自然オイル塗装のこだわり

無垢フローリングは無塗装で使用することも可能ですが、傷や汚れに対する保護のため塗装することをお勧めします。塗装することでその樹種の持つ風合いも強調されます。

塗装は、UV塗装・ウレタン塗装・ガラス塗装・自然塗装など様々です。ライフスタイルや用途、メンテナンスなどを含め考慮します。UV塗装・ウレタン塗装・ガラス塗装は非常に強固でメンテナンスも容易ですが木の質感が損なわれます。また、傷などの補修は個人では困難となります。

自然塗装は木の質感が良いですが定期的なメンテナンスが必要となります。ただし傷などの補修は比較的簡単に誰でも行えます。自然塗装は沢山の塗料メーカーがありそれぞれ特徴があり商品の特徴や性能、好みで選ぶことができます。

アカシアUV
UV塗装
アカシア 無塗装
無塗装
アカシア オイル塗装
自然塗装(オスモカラー)

複合フローリング

複合フローリングまたは合板フローリングと呼ばれます。基材に合板材を用いて床面を見栄えるのする化粧板を貼り付けているフローリングです。

床面の化粧板部分を挽板(無垢材)1~4㎜を用いることで無垢フローリングに匹敵する質感を持ちます。また突板0.3~0.6㎜の木のシートを貼ったモノや、ポリオレフィンなど木ではないシートを貼ったモノも存在します。ポリオレフィンなどは木の柄に拘らずストーンや幾何学的なデザインも可能です。

複合フローリングも仕様によりそれぞれメリット・デメリットもあります。

挽板フローリング

メリット
・無垢に近い質感
・幅広、OPCモデルが容易
・耐久性もそれなりにある
・寸法安定性に優れる
・自然塗装が選べる
・経年変化を楽しめる
デメリット
・OPCや幅広など仕様が良いため高額になる場合がある
・耐久性が中程度
・メンテナンス要

突板フローリング

メリット
・施工が簡単
・幅広、OPCモデルが容易
・安価、高級材もお手軽
・寸法安定性に優れる
・品質が均一
・メンテナンスフリー
デメリット
・耐久性が低い
・傷、凹みに弱い
・安っぽい
・不自然に均一化された杢目

シートフローリング

メリット
・施工が簡単
・傷、凹みに強い
・安価
・寸法安定性に優れる
・さまざまなデザイン
・メンテナンスフリー
デメリット
・不自然な見た目
・脆弱な質感
・安っぽい
・耐久性が低い

告示対象建築材料以外の建築材料

建築 基準法に基づくシックハウス対策について
複合フローリングはF★★★★が必要となります。
F★★★★(エフ フォースター)はホルムアルデヒド発散レベルの最も低い製品に表示することができる最高ランクの等級で、建築基準法の規制を受けずに使用することができます。

複合フローリングの選び方

複合フローリングは、先に説明した通り様々な仕様があります。その仕様により選択肢が色々あります。例えば超幅広のOPCの無垢フローリングを望むが現実的には難し場合が多く(仕様的・予算的・材料的)その場合、挽板タイプの複合フローリングを使うことで対応できます。

また、色むらを嫌い均一感あるデザインを望む場合、突板フローリングシートフローリングを選びます。

複合フローリングを選ぶポイントを紹介します。

※基本的には無垢フローリングの選び方と同じです。

樹種からフローリングを選ぶ
樹種で選ぶ
加工でフローリングを選ぶ
仕様で選ぶ
フローリングの幅で選ぶ
価格で選ぶ
用途で選ぶ
用途で選ぶ

樹種で選ぶ(デザインで選ぶ)

複合フローリングは無垢フローリングほど樹種のバリエーションがありません。人気ある樹種や高級材が主となります。シートフローリングでは木以外のデザイン、例えばストーン柄なども選択可能です。

挽板3㎜フローリング
シートフローリング

仕様で選ぶ

複合フローリングは、無垢フローリングほど仕様が細分化されていません。OPCや乱尺仕様もありすが、複数枚を1枚のパネルのように加工したものもあります。例えばヘリンボーンタイプも無垢フローリングでは1枚1枚独立していますが、複合フローリングは1枚のパネルにデザイン的にヘリンボーンが複数枚セットしたようものもあります。

複合フローリング 構造

OPC(1P)は定尺1枚物で、2Pは定尺で1枚の基材に2列の化粧板を貼り付ける、3Pも定尺で化粧板を3枚貼り付けます。乱尺はOPC同様にそれぞれ独立した1枚で複数パターンの長さが存在します。

複合フローリングの構造2

価格で選ぶ

挽板フローリングは、その仕様より高価なモノが多いのが特徴です。幅広・OPC・乱尺がメインであり床面に1-4㎜の無垢材を使用するため高価な価格となります。特に床面には人気の樹種や高級樹種が使用されるためその傾向が顕著に表れます。突板フローリング・シートフローリングは安価な設定となります。

用途で選ぶ

複合フローリングは床暖房に対して非常に安定感があります。無垢フローリングでは不可能な幅広フローリングも床暖房で対応可。

床暖房対応フローリング

床暖房で利用可能なフローリングです。複合フローリングの基材部分で安定性を求めた構造として製造するため様々な樹種で床暖房での利用が可能です。

SPCフローリング

石灰岩とプラスチックを主成分とした新素材フローリングで、これまでの塩化ビニル製フロアタイルなどより安定性が高く、耐久性の高いフロア材です。施工も接着剤不要・釘不要で簡単仕様。

SPCフローリングは置くだけ簡単施工なので、リフォーム、リノベーション、賃貸、店舗など短いサイクルで使う案件に適しています。